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日本再発見塾

日本の文字〜ホツマツタヱ〜

日本には文字がなかった?
 みなさん、普段当たり前のように使っている「日本語」について、どれだけ知っているでしょうか?
ひらがな・カタカナだけが「日本の文字」であると思っていませんか?
これらの常識を覆す存在がここ、近江の国・滋賀にはあるのです。
  ひらがな・カタカナは日本特有のものだといっても、もとになるのはやはり漢字です。では漢字が伝来する以前は、日本には文字はなかったのでしょうか。文字の全くない文化が、外来語をすんなり吸収し独自のものに改変しながら取り入れることなど、果たして可能なのでしょうか。文字は人間の思考、とりわけその伝承に際して大きな役割を果たします。人間とサルとの根本的な違いは文字の有無にあるとの意見もあるほどです。 実は、漢字が伝来する前に、日本には固有の文字が存在していたのです。それがここ滋賀県と関係の深い「ホツマ文字」です。

ホツマ文字とは?
  ではホツマ文字とはどのような文字なのでしょう。それは日本古来の大和言葉を表すための文字でした。この文字を使用して記された三大書として、「ホツマツタヱ」「ミカサノフミ」「フトマニ」があり、成立した年代は紀元前約7世紀、縄文時代〜古墳時代にかけて記されたといわれています。
この三大書は「古事記」や「日本書紀」などの漢字文献と比較研究された結果、「ホツマツタヱ」がこれらの原本だということがわかってきました。「古事記」「日本書紀」が700年代(奈良時代)に完成していることを考えると、「ホツマツタヱ」がどれだけ古くから存在していたかがわかり、驚かされます。 ところで「ホツマ」とは、漢字で表すと「秀真」となり、「日本書紀」には「秀真国」という言葉が出てきます。狭義の意味では古代関東一円地域を示すのですが、より広義の意味では日本を賛美した言い方であり、「秀真国」とは「秀でていて整っている国」という意味になるのです。

『ホツマツタヱ』に書かれていることとは?
 
「ホツマツタヱ」には、膨大な量の「五・七調」の和歌・長歌が収録されています。それらは全てホツマ文字という独特の文字で表されており、しかも古代の大和言葉ですから、容易には読めません。しかし研究が進むにつれ、そこには自然観、宇宙観、政治観、祭祀、言霊思想などが描かれていることが判ってきました。後半部になると時事的・記録的な内容も加わり、当時を知るための貴重な資料となっています。
現代日本語は「あいうえお」などの50音で構成されていますが、ホツマ文字では48音です。欠けている2音は「やいゆえよ」の「い」「え」です。この48音を表す文字は、そのひとつひとつに意味が込められているようです。たとえば「ア」は父・天の意であり、「ワ」は母・地の意というように。そしてそのひとつひとつの文字を神様として奉っており、言葉を霊的な存在として大切にしてきたことは、言霊思想の源泉だといえます。ここに日本文化の本質的なものを見出せるのではないでしょうか。

なぜホツマ文字は廃れたのか?
 
このように大切にされてきた文字が、なぜ今漢字に取って代わられているのでしょうか。 一説によると、称徳天皇の時代(奈良時代)、皇位を狙った僧の道鏡が国家の古書を焼いたとされています。政治的実権を奪おうとするとき、体制を支えてきた伝統文化を壊すことは世界中で行われてきたことです。そのため道鏡は古典文献を改ざんし、仏教・漢字を取り入れたのではないかといわれています。しかしそれを危機に思った赤坂世々彦という者が、近江の国に隠棲しホツマ三書を秘蔵し代々伝えました。そのために、滋賀県はホツマ文字を守ってきた地であり、日本の文化が脈々と続いてきた地であるわけです。

ホツマ文字と滋賀県の関係
  「ホツマツタヱ」には「アワの国」という章があります。その中の一説にこんな歌があります。
二神(ふたかみ)の おき局(つぼ)に居て 国生めど 民(たみ)の言葉の
悉(ふつ)曇(くも)り これ直さんと 考えて 五音(いね)七道(ななみち)の
アワ歌を 上(かみ)二十四(ふそよ)声 いざなぎと 下(しも)二十四(ふそよ)声
いざなみと 歌い連ねて 教ゆれば 歌に音声(ねこえ)の 道開け 民の言葉の
整えば 中国(なかくに)の名も
淡(あわ)国(くに)や この歌の意味は、いざなぎといざなみが政事をしようとしたときに、人心の乱れが言葉の乱れを招いていると考え、これを正そうとして「アワの歌」を作ったということです。これにより国が治まり、それにちなんで国の名前も淡(あわ)の国とし、彼らの功績を讃えたのでした。これ転じて「近江」となったともいわれています。そして実際、この地にホツマ三書は保存されていました。

今なぜホツマ文字なのか
永らく一般には認知されることのなかった「ホツマツタヱ」ですが、近年それに関する関心が高まりつつあります。さまざまな場面で日本らしさの再評価が進む現在、「ホツマツタヱ」に見られる古代日本の豊穣な世界観は、過度な効率主義に息苦しさを覚える日本人を癒す一つのきっかけになるのかもしれません。

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